8月14日 遠心力を操る

8月14日 遠心力を操る


 最後まで安定した投球ができなかった。自分の投げている所を見ても分かったけど、脚も腕も頭も体の中心から伸びている感じがしないときはダメだなと思った。全ての体のパーツのラインを伸ばしていくと、全て体の中心で交わるようなつながりがないと安定した投球はできない。

 体の中心とは、上半身と下半身の境目、腹と腰の境目、腰の少し上で、前か後ろかというと少し後ろ側、腹と背中の間の少し背中よりの辺り。


 調子が悪い時はいつも左肩が体の動きにおいていかれて、リリースの際に左腕が真後ろへ伸びてしまうような投球になる事が多い。それは最終的に左腕に全ての波が集まるだけのことで、体と右腕、体と脚の連動が上手く取れていないということなのではないかと思う。

 でも左腕がこうなる時の感覚は左腕に体が引っ張られてしまって、腰が入りきらない投球になってしまうという感じ。その原因がはっきりと分かっていないけど、これが分かると、調子が悪い時の具体的な対策が立てられるようになる。原因を探っていかないといけない。


 こんな投球が続いていたので、大きなスイングを上げたら余計ダメになると思って、途中までずっと肩の高さまでのスイングを続けていたけど、最後の3ゲームは大きめのスイングを試して、そこから調子が上がった。曲げる時の投げ方をするときはやっぱり大きめなスイングがやりやすいのだと思った。

 肩のラインまでのスイングで曲げる投球をしている所をカメラで見てみると、特に意識はしていないのだけど、最後のリリースへ向けて、体の中心の方へボールを上げようとしているのかなという感じがする。でもスイングの高さがほとんど無いので、体の中心に寄せ切ることができなくて、不足分を腕の力でやってしまっている感じ。それで右腕、右肩、左肩、左腕のラインが不自然になる。それでは上手くリリースができるはずが無い。


 大きなスイングと曲げる投げ方との相性がいいのは、遠心力を無駄なくリリースに使うことができうるからなのかなと思う。まだその動きを完璧に使いこなせているわけではないけど、きっかけはつかみかけている気がする。自分の投球を見てそう思った。

 投球の際の不安やストレスは全て遠心力が原因なのではないかなと思った。でも遠心力を重さと感じてしまっているということは、その時遠心力を無駄に消費してしまっているということ。リリース動作に入るまでは遠心力を極力感じない投球を考えていけばいいのではないか。

 遠心力は無駄に使ってしまうとストレスの原因になるけど、振り子の力を利用して投げるということは遠心力を使うということと同じ意味だと思う。リリース動作に入るまで遠心力をキープしておくためには(リリースの時に遠心力のピークを持ってくるためには)、体の中心に振り子の軸があるような感覚を持つといいのかなと感じた。そして、そのためには高いスイングが必要。

 感覚的にボールはその場所で上下するだけで、動かなくて、体が動く感じ。投球というと、体をガッチリと地面に固定してボールを動かすイメージがあったけど、リリースまで遠心力を感じないという感覚を実現しようと思うと、ボールでなくて体が動くイメージが必要なのかもしれない。ボールはその位置で、体が動いて、体の中心にボールを引き込む。

 そのためには、踏み込み脚、体の中心、両肩のライン、腕の順に連動で上に積み重ねていく。積み上がった部分はその瞬間にはコースに対して正対していて、ガッチリと固めて土台になっていく、土台をだんだん積み上げていって、エネルギーが最後の腕に向けてどんどん絞り集まっていく。そしてそのエネルギーと遠心力が最後リリースに全部かかる。


 右胸から右肩までの塊と踏み込んだ左脚の股関節を体の中心へ向かって引き付ける感じ、その2箇所が引き付けあってぶつかる所が体の中心というか動作の軸になる感じで。

 そのためには、左脚を踏み込んで、その段階では右脚から右肩までのラインはコースに対して斜めを向いているけど、それを左脚の股関節に向けて絞り込むようにコースに向けて正対させていく。そうすると自然と蹴り脚のほうは横に流れて、蹴り脚のフォロースルーができる。その段階で上手くいけば脚、股関節、肩(頭、首の付け根かな)は一直線になってガッチリ固まっているはずだから、後は思い切ってリリースしていくだけ。